2014年9月20日土曜日

絶品オムライス&フレンチ

※今日の写真はクリックすると大きくなります※
「ヤマザキ」の牛乳パン
梨(幸水)
カフェオレ
「……おお、"チョーシに乗ってるクマ"のパンがある……」
と、数日前に買ってきた、くまモンパッケージの牛乳パンが、今日の朝御飯。金曜のだんなの朝ジム前にささっと食べて行けるように……と、買ってきたパンだったけど、昨日は別のパンを食べたので今日の朝に、ということに。
 
ミルククリームをサンドした大きめコッペパンで、そのクリームに「阿蘇小国ジャージー牛乳」を使っているからくまモンなのであるらしい。……なるほど。
 
かなり大きめにばばーんとくまモンのイラストがついているから、だんなや息子にも見せながらもぐもぐ。今日は家族3人でフレンチディナー、でも息子は夕方まで部活だそうなので、送り出した後はだんなと2人、お出かけすることに。
恵比寿「チャモロ」にて
 やわらか厚切り牛たんオムライス \1500
今日の目的地は代官山。
 
「代官山なんてひっさしぶりだし、雑貨屋巡りとかしたいなー」
とあれこれ調べていたところ、だんなが「恵比寿から歩かない?恵比寿のあの酒屋にも寄れるし」とのこと。
 
「あの酒屋」とは、「岩崎酒舗」さんの事。なんというか、独特な雰囲気の酒屋さんで、一人で入るにはちょっと勇気の要るお店。でも魅力的なお酒が揃っている。
土曜日だから営業してるとは思うけど、一応営業時間とか調べておくか……と、検索してみたらTime Out Tokyoのこの案内ページがヒットして、そのページの下には「岩崎酒舗 近くのレストラン&カフェ」という欄が。
 
何の気なしにちらっと眺めたら、やけに美味しそうなオムライスの小さな写真が載っていて、「え、なんだこれ美味しそう」とクリックしてみたら、酒屋のすぐ向かいにある洋食屋さん「チャモロ」の記事にジャンプした。
 
牛タンオムライスだって!なんだこれ美味しそう美味しそう!と盛り上がってしまい、だんなにも見せたら「ここ、いいねぇ」とのこと。営業は12時からということで、開店に合わせて向かってみることにした。
 
ちょっと早く到着して、10分ほど前に店頭に到着してみたら、既に地上の入り口(お店は細い階段を下りた地下1階にある)には5人ほどの行列客が。あれ?けっこう人気のお店だった?と思っているうちに、あれよあれよと15人ほどの列が出来た。
 
時間が来てお店に入ってみれば、客席はわずか5テーブル。4人がけテーブル3つと2人がけテーブルが2つ。あっという間に満席になった。……早く来て、良かったねぇ。
 
件のオムライスは「特選ランチ」の1品で、お値段1500円。
 
他には「大海老フライオムライス」とか「きのこオムライス」「300gハンバーグ ライス付き」あたりが「特選」シリーズで、全部1500円。サラダとお代わり無料のみそ汁、ドリンク(コーヒー、紅茶、ウーロン茶)がついてくる。
 
他にも1000円以下のランチメニューもあって、ハヤシライスは850円、「牛たん旨塩焼き ライス付き」「ボルシチ ライス付き」はそれぞれ980円……という感じ。
 
そうそう、盛りは「多め・ちょっと多め・ふつう・少なめ」と選べて、お値段同じ。
 
牛タンオムライス、手前が「ちょっと多め」、奥のだんなのが「多め」。高さが違うよ。 「じゃあ私、"ちょっと多め"で!」
「俺は"多め"で」
とお願いしてみた牛タンオムライス。
 
横から見ると、「盛り」の高さが全然違っていて面白かった。
 
近くの席のお姉さんが「少なめ」の牛タンオムライスを注文していたようで、高さはだんなの「多め」の半分くらい。
 
このオムライス、期待以上に、すんばらしく美味しかった。箸でさくさく切れるほどに柔らかな「厚切り牛タンシチュー」がソースごとたっぷりオムライスにかかっている風な料理。
 
ご飯はチキンライスではなくてバターライス。胡椒が効いていて、そのスパイシーさが卵やタンシチューに良く似合っていた。「ちょっと多め」はけっこうなボリュームだったけれど、お腹が空いていたタイミングだったのでぺろりと完食。
 
店頭には続々とお客さんがやってきていて、後になって調べると、「アド街ック天国」ほか、色々な媒体で紹介されている人気店だったみたい。素敵なお店を見つけることができてラッキーだったのだった。
 
「3品チョイス 90分飲み放題2200円」というメニューもあって、夜に来るのも楽しそう。飲み放題対象は生ビール(サッポロ生)やワイン、日本酒のほか、テキーラやウォッカといったものまで。選べる3品が魅力的で「超うまいブロッコリーあげ」(どんだけ旨いのかすごい気になる……)とか、「とろとろスペアリブ」「なんこつ塩いため」「白もつのやわらか仕立て」「自家製肉だんご」などなど。
 
夜の営業は金曜土曜の週に2日だけということだけど、土曜の夜にふらっと行ってみるのも楽しそうだな、と思ったのだった。
 
そして食後に酒屋さん。
 
今日目立って大量に色々な種類並んでいたのは山形の秀鳳、奈良の百楽門、愛媛の賀儀屋。「百楽門の裏ラベル(左右反転させたラベル。使った米の粒が小さいから「純米」などの表記が使えない種類の酒なんですって。だから「裏」)」があったりして、面白いなぁと思いつつ、店主に「これ、お勧めです。これを飲んでいただきたい!」と力説された4合瓶を2ついただいてきた。
 
愛媛 成龍酒造 賀儀屋 無濾過 純米大吟醸 (使用米:しずく娘100%)
滋賀 福井弥平商店 萩乃露 純米吟醸 源流渡舟 生酒(使用米:滋賀渡船六号100%)
 
渡舟という米は、雄町の近似種かつ、山田錦の親種なんですって。うー、早く飲みたい。
代官山 「メゾン ポール・ボキューズ」にて
 フランスレストランウィーク ディナー \5,000
 チーズプレート \2500
 キール \0
 グラス赤ワイン \1600
で、午後は夕方まで恵比寿~代官山界隈の雑貨屋巡り。
 
久しぶりにアランジアロンゾショップを覗いたり、アジア雑貨屋で手持ちの服に似合いそうなピアスを数個購入したり。
 
最後は、初めてちゃんとまともに歩いた蔦谷書店を眺め歩いた。楽しい本屋さんだけど、第一印象は
「ああ、つまりは、小洒落たヴィレッジヴァンガードなんだねぇ」
と思ってしまった、残念な私の感性。うーん、本屋さんとしては(品揃えとか、ぐっと来る本が平積みされてるとか)青山ブックセンター本店の方が好きではある、かなぁ。本屋もさっぱり行かなくなっちゃったんだけど。
 
そして夕方、無事に息子と落ち合って、向かったのは「メゾン ポール・ボキューズ」。
 
この週末から10月上旬まで「フランス レストランウィーク 2014」が開催ということで、参加店舗で限定ランチ、限定ディナーをいただくことができるのだった。ランチは2214円、ディナーは5000円の固定価格で、いずれも「前菜・主菜・デザート・食後の飲み物」という構成。固定価格は税サ込みというのが地味に嬉しい。
 
参加レストランには名だたるグランメゾン(銀座レカンとかね)も含まれるのだけど、そういったお店は「1日1テーブルのみ」「予約はネット不可、電話のみ」といった縛りがあるところばかり。「銀座レカンのディナーが5000円でいただけるなら!」と予約を試みたのだけど、全然ダメだったのだった。なので、グランメゾンよりはちょっとお手頃めなお店を狙って、「でも普通に行くにはちょっと高いところ」をいくつか予約。
 
メゾン ポール・ボキューズは、事前にメニューも公開されていて、「これなら息子も喜ぶ内容かなー」ということもあって、息子も誘ってみたところ「行きたい行きたい」と。お目当ては鴨のメインディッシュだ。
 
屋外の螺旋階段を下りてエントランスに向かう、地階のお店だけれど、開放感もあってとても素敵な雰囲気。入り口近くのカジュアルめなテーブルが並ぶ空間は、本来は個室として使われるスペースのようだったけれど、今日はこちらにもお客さんが多く訪れていた。
 
オープンキッチンの前を通って、一番奥がボルドーカラーが基調のメインダイニング。男性スタッフは燕尾服着用で、雰囲気は高級ホテルのメインダイニングのようだった。お料理も美味しかったし、雰囲気もそんな感じで良かったのだけど……なんというか、母体が「ひらまつ」だからなのか何なのか、サービスとか些細な事が「詰めが甘い」というか「ところどころがっかり」だったのが、銀座などのポール・ボキューズと同じで「ああ、メゾン、お前もかー」という感じ……。
 
ともあれ、いただいたのはこんな感じ~。お料理は本当に美味しかった。
 
お店からの一品:富良野メロンのソルベ
代官山「メゾン ポール・ボキューズ」にて、スターターがソルベって面白い。 こちら、お店からの一品でございます、と出てきたのが、面白いことにメロンのソルベ。
 
レストランウィークを主宰するカード会社のカード提示で食前酒サービスということで、キールを飲みながらいただいた。
 
オレンジ色の甘いソルベの周囲には、「オリーブ油のムースリーヌ」。上に飾られた千切りの葉はバジルだった。
 
オリーブ油とバジルという組み合わせで、だからメロンは「フルーツ」でありながら「瓜系のお野菜」という感じでもあって、面白い風味。
 
そして、パンに添えられるバターが、メダル型の「エシレバター」(2人に1個)な事に驚く一同。バター、パンにがっつり塗りながらいただいてしまった……。
 
前菜:スズキのポワレ
代官山「メゾン ポール・ボキューズ」にて、エスニックな香りの魚の前菜。 前菜は、「魚料理」ともとれる感じの「スズキのポワレ ブイヤベースのジュ 季節野菜とオマール海老のラビオリ添え」。
 
濃厚なブイヤベースのスープの中には蕪がたっぷり。とろけるチーズを敷いて、右に肉厚のスズキのポワレ、左はオマール海老のフィリングを詰めた大きめのラビオリ。
 
スープが不思議にエスニック風味で、
「五香粉っぽいっていうか……いやむしろ八角的な」
「スターアニス(=八角)じゃなくて、単にアニスとか」
とやいやい話し合っていたのだけれど、正解は「アニス」。
 
独特な風味が面白かったけど、でも、アニスの香り要らなかったような気も、少々……。
 
主菜:小鴨胸肉のロースト
代官山「メゾン ポール・ボキューズ」にて、鴨とフォアグラ♪鴨とフォアグラ♪ 待望のメインディッシュは「フランス産小鴨胸肉のローストとフォアグラのソテー 色々な茸のエチュベ ボルドー風」。
 
これは文句なしに美味しかった……んだけど、皿を運ぶ時にきのこのソテーの焼き汁が派手に皿の端にに流れていっていて、「え、これでいいの?この状態でいいの?」と、少々もんにょり。(写真にはうつらないようにしたけど、右下の方にね……)
 
こういうところ、「気にしない」というか「気にしてくれない」というところがこのお店にはちょいちょいあって「燕尾服で給仕して、それなの?」と……。
 
1300円のお水(サンペレグリノの大瓶)を供しておいて、グラスが空になっても全然注いでくれなくて(これも「気付いてくれない」)、業を煮やしてだんなが席を立ってテーブル近くの台にボトルを取りに行って自分で注いでも、飛んでくるでもなし……。うーん、ほんと、料理の美しさと美味しさ、空間の素晴らしさは良いんだけど。
 
ともかくも、ロゼ色に焼かれた鴨は素敵な美味しさ。「ねぎま」のように、鴨とフォアグラが交互に盛りつけられていて、赤ワインベースのトラディッショナルなソースを添えて。
 
きのこの煮込みの上にはナッツが入った甘めの薄焼き生地。甘く煮た栗も添えられていた。
 
見た目も美しいし、大好物の鴨も美味しいし、いかにも「秋!」という感じのお皿でとても素敵だった……だけに、画竜点睛を欠いた感じが、ほんとに残念。
 
チーズ
代官山「メゾン ポール・ボキューズ」にて、思わずチーズも。 グラスワインをいただいていたので、メインディッシュ後にワインが余ることもなかったのだけど、「アラカルトになりますがチーズもいかがですか?」とチーズワゴンが登場。
 
今日はチーズは要らないかなぁ……とだんなと話したのだけど、息子が「チーズ食べたい!」と言い出して、じゃあ少しだけ、と。
 
息子が好みそうなコンテと、これは私のリクエストでシェーブルを盛ってもらった。
 
ミルクの味が濃厚なコンテは、思った通り息子の好みだったらしく、でもシェーブルの方は顔をしかめて「あんまり好きな方向じゃない……」だそうで。
 
普通のレーズン、ホワイトレーズンをまぶしたシェーブルは「シャビ・レザン」というものだそうで、レーズンを一緒に口にする分、シェーブル初心者にも食べやすい風味。でもやっぱり「山羊乳!」という風味はちゃんとあるから、山羊が嫌いな私の母も苦手なタイプだろうなと思った。
 
アーモンドやくるみ、干しあんずも添えてもらって、もぐもぐ。
 
デザート:洋梨とキャラメルムース
代官山「メゾン ポール・ボキューズ」にて、デザートは2色のムース。ピシッとしてます。 デザートは「洋梨とキャラメルムースのデュオ 洋梨のシャーベット カカオとオレンジのチュイールと一緒に」。
 
敷かれたソースはラズベリーらしく、ベリーが苦手と事前に伝えておいただんなの分はチョコレートのソースになっていた。
 
ねっとり濃厚なムースと、ふわっとしたシャーベット、ナッツのカリカリの食感の組み合わせが心地よかった秋らしいデザートで、スポンジ、洋梨のムース、キャラメルムースの3層も断面美しく「ピシッ!」とした光景。
 
透け感がレースのように綺麗だったチュイールはカカオとオレンジのほろ苦さが良い具合で、これも素敵な組み合わせだった。
 
3種の小菓子
代官山「メゾン ポール・ボキューズ」にて、最後は小菓子3種類。 そして食後の飲み物と一緒に一口サイズのお菓子が3つ。
 
手前が濃厚なガトーショコラ、中央がチーズクリームを巻いたプチロールケーキ、奥がラズベリーのバタークリームケーキ。
 
だんなの分は、ラズベリーのケーキがポルポローネのような粉糖をまぶした焼き菓子になっていて、「あ、それも美味しそう」と。
 
皿数としてはそれほど多くなかったディナーだけれど、でもしっかりお腹はいっぱい。甘いものもがっつり食べて幸せ気分で、最後に化粧室を……と、ポーチをバッグから取り出してエントランス近くの化粧室目指して席を立つと、すぐに女性スタッフが「御案内します」と近寄ってきてくれた。
 
「お食事はいかがでしたか?」
「美味しかったです~。鴨が好物でね、だから楽しみにしてて」
なんて話をしながら案内されて、でもそこまでしてくれるのに肝心の化粧室の洗面台は前のお客の使用後でびしょびしょ、っていう……。
 
私たちはディナータイムの早めの入店だったから、ディナータイム始まってそれほどには多くのお客さんが化粧室を訪れたとは思えないタイミングだったのだけど、よっぽど使い方が荒い人が直前に来ちゃったって事かしらん……と思いつつ、「でもなぁ、客席数の割に2つしか個室がなかった、あのお気に入りの店はいつだってトイレ、綺麗だったんだよなー」と青山時代のCozimaを思い出してしまったりして。
 
かくかくしかじか、と、帰り道だんなに化粧室のくだりを話していたら、
「だってCozimaは、化粧室近くにバーカウンターあったじゃん?お客さんが化粧室使うたびに、カウンターのスタッフが毎回ってくらいに見に行ってたよ」
だそうで。
 
そういうのって「サービスされているその時」には気付かないけど、後になって「ああ、あの店ってすごかったんだなぁ」とじわじわ来るんだなと思い知ったのだった。そういうところ、「気にならない」お客さんは「気にしない」オーナー側と相性が良いのかもしれないけど、どうも私たちはポール・ボキューズと(ていうか「ひらまつ」グループと)相性が良いとは言えないらしいぞ?と思ってしまった、本日の夕御飯。ほんと、何度でも言うけど、美味しかっただけに!