2012年12月4日火曜日

銀座でフレンチランチ

※今日の写真はクリックすると大きくなります※
「marond」のグラタンロール
「パレスホテル」の焼栗とゴルゴンゾーラマフィン
洋梨(ラ・フランス)
カフェオレ
昨日買ってきたパン、その前に買ってきたパン、などなどで朝御飯。食後はデパ地下で買ってきた、大きくて立派な洋梨を。
 
地元、千葉のパン屋さん「marond」(マロンド)は、アンデルセンなどの大手チェーンのパンに比べると、ちょっとお安め。でもサイズはしっかり大きめだし、棚に並ぶ品数も豊富、何より味も悪くないということで、駅ビル、駅前にある大手チェーンに負けず人気のお店なのだった。
 
「そろそろ甘くないパンが食べたい……」と私が選んだのは、ちょっと小ぶりな「グラタンロール」。テーブルロールっぽい生地のパンにベシャメルソースやブロッコリーなどが乗っていて、軽く温めてからいただいた。
 
せっかくオーブンのスイッチを入れたのだからと、「焼栗とゴルゴンゾーラマフィン」も温めたら、これもなかなか良い感じ。
銀座 「Le Chat Souriant」にて
 Menu Bienvenu 2×\6500
 おすすめ食前酒 2×\1400
 グラスワイン 4×\1000
今回の母の上京、その一番の目的は上野の東京都美術館で開催中の「メトロポリタン美術館展」なのだという。
 
「由紀ちゃんはもう行ったの?」
「行ってない」
「じゃあ行きましょう!」
私、10年前だけど、ちゃんとニューヨークで本物見てきたもん、肝心の「カバのウィリアム」が見られなかったけど、どっちにしてもウィリアムは東京にも来ていないんでしょ~?とぼやきつつ、でも興味がないわけではないので、母と一緒にお出かけ。
 
平日午前中だったらそこそこ空いてるかなと思っていたけど、甘かった。がっちり混んでいて、特に人気のゴッホ、レンブラントの絵の前などは大混雑。
 
東京都美術館は、今年の春にリニューアルしたのだそう。2年前からリニューアル工事に入り、躯体はそのままに、全面バリアフリー化、空調照明の入れ替え、タイル張りだった床面はカーペット張り……という感じになったのだそうだ。
 
東京都美術館、何度か来たことがあったと思っていたけれど、「アール・ヌーヴォー展」は2001年、「ミュシャ展」は2005年ということで、もう5年以上ご無沙汰だったことになるみたい。
 
階段での上り下りが必要だったフロアの移動も、凝った照明つきのエスカレーターになっていて、観覧しやすい美術館に様変わりしてた。
 
ゴッホにゴーギャン、セザンヌ、ルノワール、モネ……と、現地で生で見てきたものも何点かはあっただろうに、これが案外さっぱり忘れていて新鮮な気持ちで鑑賞。
 
絵画の他に彫刻・工芸、写真などの展示もあって(エミール・ガレの「セリ科の植物の飾り棚」もあった……素敵……♪)、紀元前のエジプトの「猫の小像」が見られたのは何より。あと、メソポタミアの「カエルの分銅」、フランソワ・ポンポンの「シロクマ」も最高にキュートだった。
 
テーマが「自然」ということで、宗教画などは少なく、美しい風景に動物にと、題材も日本人好みだったのも良かったのかなと思う。
 
充実の鑑賞を終えた後、せっかくなので上野でお昼御飯……とでもしたいところだったけれど、母は「上野はごちゃごちゃしてるからキライ」だそうで、午後の買い物もある銀座に移動することに。
 
母の目下のお気に入りは銀座三越に入っているフレンチのお店。でも、半年前にも来ているし、違ったお店に行ってみない?と、一度私が友人と行って気に入った「Le Chat Souriant(ルシャスリヨン)」に「今から行きます」と直前に空席の確認&予約をして、そちらに向かってみた。
 
銀座の老舗フレンチ「レカン」のカジュアル店舗のこのお店、プランタン銀座裏手の静かな通り沿いにある。店名が「微笑む猫」という意味なのも可愛らしく、ゆえに店ロゴにも猫のシルエット、店に至る階段脇にも猫のオブジェが飾られていたりする。
 
コース料理は良心的な価格だし、お店の雰囲気も良いし、でもそれゆえに、プリフィクスではなく固定のコースのみなのが好き嫌いの分かれるところ。
 
「まぁ、いただくとしたらこっちだよね」と事前に私が携帯で調べたのは皿数少なめのお安い方のコースで、「うん、メインが豚だしデザートは紅玉リンゴのタルトだし、これなら母が好きそう♪」と配慮して決めたというのに、いざメニューを開いたところ、母は
「うん、高い方のコースにしましょうね♪」
などとのたまいあそばしたのだった。
 
えええー、母は蟹とかアンコウとか興味ないじゃん、デザートだってタルトタタンじゃなくて洋梨だよ?と聞いても「こっちにする」だそうで、結局、昼から思いがけずにがっつりフレンチ。
 
食前酒いただいて、グラスワインも2杯いただいて、今日も昼から良い気分になってしまった。
 
というわけで、いただいたのはこんな感じ~↓
アミューズ ブーシュ
銀座「Le Chat Souriant」にて、ほんのり前衛的なプレゼンテーションのアミューズブーシュ。 「おすすめの食前酒」が、フランボワーズのピュレを洋梨のジュースとシャンパンで割ったもの、だそうで、私も母もこれを。
 
洋梨がお店で搾った果汁なのか、とてもフルーティーで濃厚、フレッシュなジュースを飲んでいるかのような口当たりでたいそう美味しい。
 
これを舐め舐めいただいたアミューズブーシュ。手前がハーブの香りをきかせた海老のマリネ。マリネを食べた後にこのスプーンを使っていただく、ミルクの泡を乗せた温かい卵。そしてほんわかと温かい、フォアグラのムースを詰めたパイ。これは手で直に持っていただく趣向。
 
卵料理は「スクランブルエッグです」と説明いただいたけれど、「とてもゆるい、生クリーム入りの茶碗蒸し」みたいなもの。「スクランブルエッグ」から嬉しい方向に想像を裏切ってくれる品だった。
 
たらばガニのレムラード
今日の、一番上の写真がこの1皿目の前菜「たらばガニのレムラード アネットとほのかなワサビの香り クーリ ドゥ フルーレットレモン」。
 
蟹の赤色とソース(アボカドとわさび)の緑の対比、こんもり高くそびえ立つシルエットがクリスマスツリーのよう。とても綺麗な姿の料理だった。
 
後に調べたところによると「レムラード」とは、マヨネーズ風のソースのこと。「アネット」はハーブのディル。
 
敷かれているのは爽やかな酸味のソースで、その上には根セロリとタラバガニのシャキシャキしたサラダ。蟹肉とラディッシュ、わさびの香りのムース状のアボカドが美しく層になって、てっぺんには、カニミソ入りのおせんべい状パリパリ生地(=チュイール)。
 
食感が違うものが組み合わされ、口の中でシャキシャキとホロホロとトロトロが一緒になる感じはたいそう心地よいものだった。見た目も味も、今回一番感動したお皿かも。
 
セップ茸のアニョレッティと季節野菜のミジョテ
銀座「Le Chat Souriant」にて、ちょっと和風な味わいもする前菜でした。 前菜2皿目は、ポトフのような素朴さのある、冬らしいお皿。
 
料理名は「セップ茸のアニョレッティと季節野菜のミジョテ クレテとジェジィエを添えて」で、それを見たときに「また呪文のような単語が……」と苦笑い。
 
「アニョレッティ」は、ラビオリのような詰め物をしているパスタ。中身は柔らかく火の通った、細かく刻んだセップ茸。「ミジョテ」は煮込み料理のこと。「ジェジィエ」は砂肝のコンフィ、「クレテ」は……鶏の腎臓のこと、で良いのかな?(確信無し)
 
ブロッコリーやカリフラワー、お芋や人参などと共にごぼうも煮込まれているので、どこか和風な味わいも感じられる、母にも馴染みやすい味のものだった。
 
「この、真ん中のモニャモニャしたものはなぁに?」
と母に言われて
「んー、えっとね、イタリアのギョーザみたいなものよ」
と即答した私の言葉センスの無さを反省。
 
あんこうのポワレとリンゴのカラメリゼ
銀座「Le Chat Souriant」にて。アンコウ!アンキモ!ブラヴァー! お魚料理は、嬉しいことにアンコウ&アンキモの組み合わせ♪
 
大変に潔く、同系色にまとめられたお皿だったけれど、この黄~茶のグラデーションが美しかった。
 
品名は「あんこうのポワレとリンゴのカラメリゼ ヴァレ ドージュ風」。「ヴァレ ドージュ」はフランスのノルマンディー地方のオージュ渓谷のことなんですって。リンゴの名産地。
 
左の塊が、このお皿のメインのアンコウのソテー。アンコウはふっくら柔らかく、その外側にパリッと適度に脂を抜いたベーコンが巻かれている。奥は、これまた表面をカリッと香ばしく火を通したアンキモ。右側が、リンゴのピュレとソテーしたリンゴ。
 
それぞれ、色合いこそ似通っているけれど、食感の妙、風味の違いが楽しめる料理。これも美味しかった~。
 
このあたりから私はグラスの赤ワインを。
 
グラスワインを頼むと、ワインリストを渡されるのではなくてテーブルに数本のボトルを持って来てくださって、その場で説明してくれるスタイル。ラベルに「レカン」のロゴの入ったボトルがいくつもあり、つまりはテーブルワインなのだけれどそれも充分美味しいのが「さすが」という感じ。
 
えぞ鹿のシヴェ
銀座「Le Chat Souriant」にて。ジビエの季節に蝦夷鹿いただきました~。 このコース、メインの肉料理は3種類から選ぶようになっている。
 
今日は鹿肉、豚足&鴨肉、黒鶏からの選択で、私は一も二も無く鹿肉を。季節到来ということで、ジビエが食べたいと思っていたのだった。
 
品名は「えぞ鹿のシヴェ ~赤ワイン煮込み トラディシュネル~」。
 
「シヴェ」とは、「赤ワインで煮込んだ野獣の料理」だそうで、ソースにはその血も加えたりするのだとか。兎にイノシシ、鹿などを扱う、まさにジビエの調理法なのであるらしい。
 
この料理にもやはり鹿の血が入っているのか、赤ワインベースのソースはやや渋めの濃厚な味わい。ジビエ肉に多い血なまぐさい感じは全くなく、柔らかで美味しい肉だった。ただ、やっぱり独特の「ケダモノ臭さ」みたいなのはあって、それが好物な私はかなり幸せ。
 
銀座「Le Chat Souriant」にて、こちらは母の皿の「豚足と鴨肉のロールガレット」。 こちらは母が選択した「豚足と鴨肉のロールガレット フォワグラ風味 ソースショロン」。
 
ほぐした鴨肉を豚足の皮でくるんでパリッと焼いた風な母の皿。コラーゲンたっぷりでお肌ツヤツヤになりそうな、こちらもとても美味しそう。ボリュームもしっかりある。
 
もう一つの選択肢は「京都丹波産黒鶏のシュプレーム天火ロティ ソースオマール レジエ」で、どれも美味しそうなものだから私はすごく悩んでしまったのだった。
 
 
西洋なしのベル エレーヌ
銀座「Le Chat Souriant」にて、デザートは洋梨とチョコレート デザートは、卓上で温かいチョコレートソースをかけていただく、「洋梨のパフェ」とも言えそうな風なもの。
 
洋梨のピュレを使ったソースの上に洋梨のコンポート。バニラジェラートにホイップクリームに、螺旋形の焼き菓子、そしててっぺんにカリッと乾かした洋梨のチップ。
 
最初から最後まで「冬にいただく温かい料理」といった感じのお皿の流れだった。
 
私はあまり「食後にチョコレートのデザート」は好まないのだけれど、これは大好きな洋梨の風味がメインになっているので、フルーツの甘さ、ジューシーさが良い感じ。表面が軽くとろけたジェラートもしっかり美味しかった。
 
ミニャルディーズ
銀座「Le Chat Souriant」にて。食後のお菓子も充実です。 そして食後のハーブティーをいただきつつ、プチフールも。
 
写真はうっかり1個食べてしまったのだけれど、テーブルクロス落ちる影も美しい、金の網皿に盛られた焼き菓子2種類。
 
しっとり焼かれた一口サイズのフィナンシェと、ブルーベリーのプチマカロン。
 
グラスには銀のスティックに刺さったチョコレートと、苺のゼリー。
 
いずれもしっかりとした甘さのお菓子で、「お菓子はちゃんと甘くないと物足りないわ」と思う私には心地よい味わいだった。
 
前回同様、お店の方の対応も心地よいものだったし、席数が少なめなのも落ち着けて良い感じ。
 
料理の選択肢が少ないというのが、母を連れて行くにあたって心配だったのだけれど、母も喜んでくれて何よりだった。充実のお昼御飯。
レタスとミックスリーフのサラダ
「まい泉」のカニクリームコロッケ 1/2個
本マグロお刺身・中落ち
白子ポン酢
羽釜御飯
ビール(サッポロ 冬物語)
「すっかりお腹いっぱいになっちゃったわねぇ」
「だから言ったじゃん、軽めのコースの方にしておこうよって、私言ったじゃん……」
 
よろよろしながら、それでも銀座三越に寄ってお買い物。
 
今日は息子の習い事もあるので「絶対家で夕御飯にしようの日」で、息子の夕飯には「まい泉」の和牛入りメンチカツとポテトコロッケを購入。私と母はカニクリームコロッケを半分こ。
 
あとは節操がない感じになってしまったけれど、食べたいものを食べたいように、と、魚売り場でお刺身買って、サラダの材料を買って帰宅した。御飯も炊いたのだけれど、なんだかとても久しぶりに羽釜を出したような気がする。
日頃は「もう、私は私の作ったものを口にしたくありません!」という気分になったりするものなのに、今は「ちゃんと自炊した食べ物が食べたい~」と思ってしまうのだから、上手くいかないものだなと。
 
銀座三越がリニューアルしてから、今回初めて鮮魚売り場で魚を眺めてきた。さすが三越、品揃えがご立派だ(値段ももちろんご立派だ)。
 
本マグロもあたりまえのように売られていて、でも切り身のパックは1200円ほどと手の届く価格。一緒に並んでいた中落ちが、これまたキラキラと光って美味しそうだったので(もちろん、「トロミユ」などの混ぜ物由来のキラキラではなく、自然の本マグロのトロのテカリ)、これも購入。
ついでに、これまたプリプリツヤツヤを美味しそうだった白子も1パック買ってきてしまった。
 
せめてもとサラダは大盛りたっぷり用意して、ビール飲み飲み夕御飯。白子はびっくりするほど美味しかったし、本マグロも数日前に銚子丸で大トロの握りを食べたはずなのに、それよりも更に美味しく思える、とろけるような舌触りだった。あらまぁ、なんて御馳走なんでしょう~と、最後は炊きたて御飯でねぎとろまぐろ丼。