2011年10月8日土曜日

初めてのBebek Goreng

ホテル 「Grand Club Lounge」にて
 スモークドハム・スモークドフィッシュ・ハム
 オニオンピクルス・ドライいちじく・ドライマンゴー
 フルーツカクテル
 クロワッサン
 インドネシアンマフィン・チーズクリームバナナケーキ
 オレンジジュース・ミルクティー
昨夜は深夜1時を過ぎる頃にベッドに入って、でも案の定6時頃には目を覚ましてしまった私。
「日本時間だと7時だもんなーそりゃ目も覚めるわなー」
と、一人ぺたぺたとリビングルームを歩きまわってみる。広い。落ち着かないほど広い。
 
昨夜はもう真っ暗で見えなかったベランダも、カーテンを開けてみれば呆れるほど広いベランダがあって、椅子やテーブルも並んでいた。1階の部屋のベランダのすぐ外は池があって鯉や小魚、アヒルが泳いでいるのが見える。ちかくの木にはリスまでいた。おおおおお、なんか……「紛うかたなき楽園」に来た感じ。
 
早くだんなと息子も起きないかなーご飯食べに行きたいなーと思っているうち、息子が起きて、数十分後にはだんなも起きてきた。8時過ぎ、家族連れだって朝御飯。
 
スイートルームの宿泊者は"Grand Club Lounge"が使えるのだそうで、コンチネンタルブレックファストと夕方のカクテルタイム(あと日中のお茶も)無料で楽しめる。ただそのラウンジが遠かった。おっそろしく遠かった。バリ島最大規模を誇るこのホテル、レセプション棟を挟んで左右に2つずつホテル棟が建っていて、私たちは左隅の海岸沿い。ランジは右隅のちょっと内陸側。
 
「ん……海岸沿いに歩いて行って、で、帰りはロビーの方に寄りつつ上の方から散策しながら帰ることにしようか」
と、ぺたぺた歩いて朝御飯場に向かうことになった。良いお散歩ではあるのだけれど、クラブフロア宿泊客専用プール(メインプールより全然小さいけど、静かで空いていてよさそうだ)もこれまた遠いので、まぁ、なかなか大変そうなのだった。
 
池に囲まれた、壁のないラウンジは当然ながら冷房も入っていなくて、でも朝のうちはそれほど暑くもないので快適。ブッフェ台そばのソファ席に案内してもらって、くつろぎながら軽めの朝食を楽しんだ。コンチネンタルなのでオムレツ焼いてくれるシェフなどはいなくて、パンとフルーツ、コールドミート、というシンプルな内容。でも品揃えは思った以上に豊富だった。紅茶もティーバッグじゃなくてちゃんと茶葉使って淹れてくれたものだし。
 
ハム類と、ピクルスや少しの生野菜、ドライフルーツに、カットされてグラスに詰められたフルーツ。パンの種類はしこたま豊富で、そして卓上には「TODAY SPECIALS」というポップ札があって「egg mousse with shiitake mushrooms ・ hash-brown potatoes」と記されていた。どうやら温かい料理が日に2品だけあるみたいだねと、ココット焼きのような卵ムース(ムースと言うにはちと固かった)をいただいてみる。
 
「インドネシアン マフィン」とか「チーズクリームバナナケーキ」なるものもいただいてみつつ、もぐもぐ。
BALI COLLECTION内「FRANGIPANI BALI」にて
 Bebek Goreng Rp 75000
 Beer(BINTANG) Rp 23000
午前中はホテルのメインプールで水遊び。
 
ほどほどに傾斜があってほどほどに長さもある快適なウォータースライダーがあり、そこを拠点にしながらラグーンのように曲がりくねったリバープールをぐるっと一周。子供連れがたいそう多いし、日本人もたくさん。なんでも宿泊者の3割が日本からのお客さんなのだそうだ。
 
お昼前に水からあがって、着替えた後は「外にご飯食べに行きましょー」「ついでにスーパーとか見てきましょー」と、ホテルに隣接するショッピングモール「BALI COLLECTION」へ。新婚旅行で来た頃からある古いショッピングモールは、観光地ヌサドゥアにあるだけあって、他のエリアよりおしなべて価格は高め……だけど、遠くに出かけるのもめんどくさいねと、食事がてら簡単な買い物はここで済ませることにした。
 
インドネシアっぽいものが食べたいねと飲食店のメニューを眺めて進むうち、日本語が達者な店員さんの誘い文句についついつられて入ってしまったのが「FRANGIPANI BALI」というお店。初めて食べる「Bebek Goreng」なるものを注文してみた(それが今日の写真)。
 
「Fried Duck w. vegetale, rice & sambal」なのだそう。小ぶりの、半羽分のダックが、小骨はパリパリと食べられてしまうほどにこんがり揚げられて出てきた。トマトたっぷりの自家製らしいサンバルと、レモングラスと生姜が香るピリ辛味の小皿がついてくる。あとはキャベツときゅうりとトマト、可愛らしく円錐形に盛られたご飯。
 
だんなは「Bali Nasi Campur Rp 62000」(Gedampfte Reis geschmuckt mit pepes ikan, tum Ayam, Sate lilit, nyat nyat, lawar kacang saur und Sambal)、息子はオニオンリングが乗ったゴージャスなハンバーガー「Febulous Burger Rp 52000」。ビンタンビール飲み飲みつまんでいたら、雨がバラバラ降ってきた。早めにプール上がっておいて良かったねぇ、と話しながら、小雨降る中もぐもぐ食事。食事を終えて買い物を済ませる頃には雨もすっかり止んでいた。
Grand Hyatt Bali 内 「SALSA VERDE」にて
 Antipasti Platter Rp 135000
 Pizza Indonesiana Rp 113000
 Pasta Carbonara Spaghetti Rp 102000
 Involtini di Maiale Rp 195000
 Panna Cotta Rp 72000
 Gelati Vanilla Rp 31000
 Beer (BINTANG) 3×Rp 60000
 Sangria Rp 125000
 7-UP Rp 35000
 Coffee Rp 35000
買い物して、しばしホテルでのんびりしてから、4時頃お出かけ。
 
毎日開催している、ウルワツ寺院のケチャを見たくて、
「帰りも迎えに来て欲しいんだけどー」
と、ホテル入り口のタクシーカウンターで相談してみたら、「だったらチャーターをお勧めするよ」とのこと。1時間$13だそうで、それをお願いしてしまうことにした。
 
チャーターだったら、ついでに寄って欲しいところがあるんですけど、と、ついでにJENGGALA KERAMIKに行ってもらうことに。バリ島で一番買い物したかったのが、ジェンガラの食器。フランジバニの模様が彫られた綺麗なお皿は、ずっと「いつか買うぞー現地で買うぞー」と思っていた品だった。
 
ジェンガラ行きたいジェンガラジェンガラ、ここからジンバランに向かう途中にお店があるでしょ?とお願いしたら、「だいじょぶだいじょぶー」と愛想の良い運転手が、なぜか全然違うお土産物屋さんに車をつけた。「たくさんお買い物するといいよー」とばかりに降ろされたのだけれど、この建物、なんか違う気がする……と入ってみれば、雑多なお土産物が並ぶ、小綺麗だけれど怪しげな土産物屋さん。「ついている値段から、20%お安くなりマス、あと○○すると5%引きで××……」と、気持ち悪い感じに愛想の良い店員たちが寄ってくる。でも、こんな店なのにお客さんがけっこう入ってるんだなぁ。
 
欲しいものは全然ないし、何よりついている価格は昼に訪れたバリコレクションより更に高めという感じでお話にならなくて、お店入って1分後にそこを後にした。典型的な、「連れてきたタクシー運転手たちにはマージンあげますよ」みたいなお店。ここじゃなくて!ジェンガラ!と憤慨しながら車を出してもらう。余計な事をするお前にチップはもうやらん、と決めて、実際彼にはチップを1ルピアも渡さなかった。
 
で、今度こそジェンガラでお買い物。時間もあまりないし、何より店内は写真撮影禁止だしで写真は1枚も撮れなかったけれど、息子が隣で
「お皿10枚目ー!」
とカウントしながら仰天する中、15アイテムばかり(でも箸置きとか小皿も多いのよ)お買いあげ。カエルのついたお皿も買ったし、バナナリーフの大皿も買った。念願のフランジバニのも小皿と長角皿とフチのない四角い大皿を。
 
そのまま空港に持っていけるようにしてくれる「check-in box」なるものを数百円でお願いできるので、パッキングもお願いした。箱の内側に発泡スチロールの板を張って、放り投げても割れないくらいに厳重に梱包してもらい、にっこり笑って「7kg!」と重量を告げられて渡された。……大きなお土産が増えました。
 
うっかり時間をかけてお買い物してしまったので、ウルワツ寺院到着は5時45分頃。崖の上に建つ寺院がよく見える場所にある会場は、既にお客さんがみっちりと座っていた。観光バスも呆れるほどたくさん。
 
逆に、そのギリギリのタイミングで来たのが功を奏して、広場(舞台)から一段上がって階段状の客席が並ぶ、その広場と舞台の境界にもお客が案内されつつあった。座り心地は宜しくなかったけれど、期せずして最前列でのケチャ鑑賞。
 
大学の卒業旅行で友人と来た時と、だんなとの新婚旅行で見たケチャはデンパサールのアートセンターのものだったけれど、それはすごく良いものだった。ケチャの集団の周囲に透明なドームがあって、そこだけ空気が違う、みたいな、独特な雰囲気を感じるものだったけれど、今日のは残念ながらそこまでの感じはなくて。お客さんたちのマナーもあんまりよろしくないし、会場側も、開演してからお客さんをどんどん詰め込んで踊り手さんとお客が門のところでぶつかっちゃうような感じになってしまっていた。何度か「あ、あの空気だ」と思える瞬間が来ても、その数秒後には霧散しちゃうような。
 
舞台そのものも、エンターテイメント性を強く出していて、魔王がお客さんにちょっかい出したり、白い猿ハヌマーンも何かとお客さんに絡んだりで、後半は客席から笑いが絶えないような感じだった。息子はたいそう笑って喜んでいたけれど、私はちょっとがっかりかなー。あの、アートセンターで見たみたいなケチャが見たかった。
 
そしてホテルに戻れば、もう8時というところ。「20分で行けるヨー」なんて運転手さんは言っていたけど、片道40分のなかなかの行程だった。
 
イタリアンっぽいのが食べたいねと、ホテルについてからの夕御飯はプールサイドのイタリアンレストラン「SALSA VERDE」で。
 
息子は一人でカルボナーラ(嬉しい感じに大盛りの)を抱え込んで平らげ、それを平らげると一人早々に部屋に戻っていった。私とだんなは「シェアして食べようか」と、あれこれ注文。「Antipasti Platter (Parma Ham, Italian Salami, Tomato & Mozzarella Salad, Baby Octopus, Artichokes & Olives, Grilled Vegetables, Parmigiano Cheese)」に、「Pizza Indonesiana (Pomodoro Sauce, Mozzarella, Braised Beef, Chili, Mushrooms, Fried Shallots)」、メインディッシュは「Involtini di Maiale (Pork Rolls Filled with Mozzarella Cheese, Ham & Mixed Mushrooms, Dressed on Risoni Pasta, Pomodoro Sauce)」。
 
どれもちゃんと美味しかった。アペタイザープレートは、全部が2切れずつ盛られていて、2人で食べてちょうど良い分量。お上品にちまちま、という感じではなくて、豪勢な盛りの「トラットリアの夕御飯」みたいな感じだった。
 
チーズたっぷりのリゾットが敷かれたインボルティーニも良かったけれど、何より「これ!美味しい!」と思ったのが「ピッツァ インドネシアーナ」。スパイシーなシュレッドビーフがこれでもかと散らされて、揚げ葱とトマトソース、モッツァレラ、マッシュルームのほんのりピリ辛味のピッツァ。厨房に石釜があるのを見て「これはピッツァ食べなきゃだよね」と注文したのは正解だった。
 
その石釜で焼いたらしいパンも味わい深いものだったし、「ピザ生地を薄く伸ばしてパリパリに焼きました」風のグリッシーニっぽい突き出しも良い感じ。イタリア色のトマト・バジル・ヨーグルトベースの3種のソースが添えられてきたのが面白かった。
 
うっかりデザートにパンナコッタまで頼んでしまい、部屋に戻ると「遅かったじゃん」と、風呂も済ませた息子がちょっと不機嫌なお出迎え。
明日はねー、サンデーブランチに行くんだよ。楽しみ!